白アルマイトと黒アルマイトは、どちらもアルミニウムの表面に酸化皮膜を形成するアルマイト処理ですが、いくつかの違いがあります。
白アルマイト・黒アルマイト処理の違い①:色味
白アルマイト処理
黒アルマイト処理
この2つのアルマイト処理において、最も分かりやすい違いは色です。白アルマイトは無色透明の皮膜を形成するため、アルミニウム本来の色に近い銀白色となります。一方、黒アルマイトは、アルマイト処理後に黒色の染料で着色することで黒色になります。
白アルマイト・黒アルマイト処理の違い②:処理工程
白アルマイトと黒アルマイト処理は、いずれも同じ処理工程を踏みますが、黒アルマイトは染色工程が追加されるという点に違いがあります。
- アルマイト処理工程
- 前処理(脱脂、エッチングなど):素材表面の汚れや酸化皮膜を除去します。
- アルマイト処理(陽極酸化):電解液中でアルミニウムを陽極として通電し、酸化皮膜を形成します。
- 封孔処理:生成した酸化皮膜の微細な孔を閉じ、耐食性を向上させます。
- 黒アルマイトの追加工程
- 染色処理:アルマイト処理後の酸化皮膜に黒色の染料を浸透させます。
白アルマイト・黒アルマイト処理の違い③:製品の用途
白アルマイトは、その耐食性、耐摩耗性、装飾性から、様々な用途に用いられています。例えば、日用品、建材、自動車部品、電子機器部品など、幅広い分野で利用されています。
当社での実績としては工作機械や、繊維機械の部品として使用されます。主な事例は下記があります。(※画像をクリックしていただけましたら、事例の詳細をご覧いただけます。)
黒アルマイトは、白アルマイトと同様に耐食性、耐摩耗性を持ちますが、黒色の外観から、高級感や重厚感を求める製品に多く用いられます。例えば、カメラ、オーディオ機器、時計、装飾品などによく利用されています。当社では黒アルマイト処理を繊維機械部品への処理として対応した実績があります。(※画像をクリックしていただけましたら、事例の詳細をご覧いただけます。)
白アルマイト・黒アルマイト処理の違い④:その他
白アルマイトと黒アルマイト処理の“その他”の違いとしては、処理内容などに応じて仕上がりに差が生じる点です。
例えば、白アルマイトで云えば、アルミニウムの種類や処理条件によって乳白色や灰色など、若干色味が異なる場合があります。一方、黒アルマイトは、染料の種類や濃度、染色時間などによって、色の濃さや光沢が調整でき、光沢のある黒アルマイトや、つや消しの黒アルマイトなど、様々な表面仕上げが可能です。
白アルマイトと黒アルマイトは、それぞれに特徴があり、用途に応じて使い分けられています。製品の用途やデザイン、求められる性能などを考慮して、適切なアルマイト処理を選択することが重要です。